学問のすゝめを読破した。
学問のすゝめ|日本大百科全書・世界大百科事典・国史大辞典|ジャパンナレッジ (japanknowledge.com)
ドグラマグラも理解に苦しむことも多かったが、本書は猶更理解が難しく感じた。
基本的に小説ではないので、会話形式でないのも、とっつきにくかった。
が、断片的にでもあるが、人として独立するとは何か?を考えさせられた。
ただ家庭を・家族を養うだけが真の独立ではないと先生は仰っている。
国としての独立とは何か?個人としての独立とは何か?の精神を説いている。
また、当時の日本が西洋に追いつけ・追い越せという潮流に信じ切っている様も、文面から読み取れる。
そうであるのに、最近の世の中の有様を見ると、中人以上の改革者流や、開化先生と言った輩は、口を開けると西洋文明の美を称して、一人がこれを唱えると万人がこれに和し、およそ知識道徳の教えから治国、経済、衣食住の細かいことに至るまでも、みな全て西洋の風を慕ってこれにならおうとばかりする。
西洋の事情についてその一般のことを知らない者が、ただひたすら旧物を廃棄してただ新しいものを求めているかのようである。
なんぞ、この事物を信じること軽軽にして、またこれを疑うこと粗忽であることか。
西洋の文明が我が国より数段階上であるとはいっても、決してその文明は十全というものではない。その欠点を数えてみるときりがない程である。
彼らの風俗がことごとく美であって全てを信じていいはずがなく、我らの習慣がことごとく醜くて全て疑っていいはずがない。
これは流行に瞬く間に食いつく現代の日本人にも言えることと思う。
当時よりも自分の意見を主張できる世の中になったことは良かったと表向きは思うが、これだけ自由度が増してしまう世の中は反面実際は良かったのかどうか・・・
いささか疑問である。